小学校の算数を知ろう 1・2年(2)

日本数学協会幹事・多摩第二小学校教諭  有田 八州穂
(「日本珠算」613号より)

小学校算数1年生の学習  6・7月

(学習内容)

  • くりあがりのない たしざん(1)
  • たしざんの意味、記号、式
  • たしざんの 文章題
  • くりさがりのない ひきざん(1)
  • ひきざんの意味、記号、式
  • ひきざんの 文章題
  • 1学期のまとめ

 いよいよ、子ども達の好きな「計算」に入ります。大切なことは、「計算は算数の文」であることをしっかり理解させ、式を書かせることです。ただ、「答えがあっていればいい」というものではないことを、はじめに、きちんと教えます。これは、珠算と算数との大きな違いです。

  1. 日本語の「たしざん」で表される言葉を理解させる。「あわせて」「ぜんぶで」「ふえると」と言い表されるのが「たす」という算数の用語にあたることを教える。
  2. 「たす」にあたる算数のことばが「+」であり、答えは「=」の後に書くこと、「=」(とうごう)の右と左は必ず同じになることを教える。
  3. たしざんの順序はそれほど強調しない。
  4. 答えがすぐに暗算で出せないときは、具体物や手を使っても良いので、すばやく、正確に出せる方法を身につけさせる。
  5. 日本語の「ひきざん」で表される言葉を理解させる。「のこり」「ちがい」などと表されるのが「ひく」という算数の用語にあたることを教える。
  6. 「ひく」にあたる算数のことばが「-」であり答えは、「= 」の後に書き、やはり「= 」の右と左は同じになることを強調する。
  7. 暗算で出せないときは、そろばん、具体物、手などを使っても良いので、「早く、正確に」出せるやり方を身につけさせる。

1年生の問題 6・7月
1年生の問題 6・7月(pdf)

小学校算数2年生の学習 6・7月

(学習内容)

  • 長さの導入、「どちらが長い」かを、直接比較から、「ものさし」という普遍単位の導入へ。
  • 1cm ・1mm という単位の導入、書き方、読み方
  • ものさしを使って、長さを測る、読み取る、書き表す。
  • cm からmm へ、mm からcm への単位換算
  • ものさしを使って、決められた長さの「直線」をひく。
  • 長さのたしざん、ひきざん
  • 100より大きい1000までの数の数え上げ
  • 百のくらい(位取り記数法のしくみ)
  • 十進位取り記数法による1000 までの数の表し方、漢数字での表し方
  • 1000までの数の数列、数直線での理解
  • 1000までの数のたし算、ひき算、大小、不等号

 算数の「量と測定」でのはじめての普遍単位の導入です。ここでの、普遍単位の必要感が次の量を理解する上で重要です。また、単位換算は小学校時代の一番の苦手となります。ていねいに教えます。 数では、いよいよ、本格的に十進位取り記数法が入ってきます。百の位までの記数法です。

  1. 普遍単位であるcm、mmを理解させる。
  2. 長さを読める、書ける、測れる、直線で引ける
  3. cm、mmの単位換算ができる
  4. cm、mm単位の長さのたし算、ひき算ができる
  5. 十進位取り記数法で3けたの数を表すことが完全にできる。
  6. 「1 がいくつ、10 がいくつ、100 がいくつ集まって」いくつになるか十進位取り記数法で表せる。
  7. 数直線上での1000までの数が読める、表せる
  8. 3桁の数の大小を十進位取り記数法のしくみから理解できる
  9. かんたんな3桁までのたし算、ひき算ができる

2年生の問題 6・7月
2年生の問題 6・7月(pdf)