小学校の算数を知ろう 1・2年(3)
日本数学協会幹事・多摩第二小学校教諭 有田 八州穂
(「日本珠算」614号より)
小学校算数1年生の学習 9・10月
(学習内容)
- 10より大きい数・20までの数の理解
- 20までの数の大小・数列
- 「10といくつ」による数の構成・式
- 20より大きい数の導入
- 大きさくらべ(長さ・量・時間)
- 長さの直接比較・間接比較・普遍単位への導入
- 量の普遍単位への導入
- 3つの数のたし算・ひき算
- 文章題による3つの数の加減混合算
子ども達の好きな、10より大きい数が出てきます 生活の中の数と結ひつけ、十進位取り記数法につな がるように教えます。また、数量的な長さ、量、時 計が初めて出てきます。
- 10より大きい、20までの数を数え上げ、数列として理解させます。
- 数の大小の見分け方を、十進位取り記数法の考え 方から理解させます。
- 「20までの数」を「10といくつ」という合成、分解として理解させ、たし算の結果としても理解。
- 20より大きい数を、日常と結びつけ導入。
- 長さくらべを、直接比較・間接比較・普遍単位による比べ方で行う。長さ比べの工夫も。
- 水の量を、間接比較・共通容器の数による比較と普遍単位につながる考え方を理解させる。
- アナログ時計の「何時」「何時半」の読み方を理解させる。方法を身につけさせる。
- 文章題で3つの数のたし算・ひき算の混合算の式を立てることができる。計算のやり方がわかる。
- 3つの数の混合算が、「10といくつ」という暗算で出せるようにします。そろばんでもいいです。
小学校算数2年生の学習 9・10月
(学習内容)
- 計算の仕方の工夫(たすのかな、ひくのかな・3つの数の計算)
- たし算の交換法則、たし算による( )の導入
- 形作り(直角二等辺三角形の色板・色棒で)
- (2けた)+(2けた)のたし算で和が3けたになる計算の立式・筆算・計算。
- 3つの数のたし算の筆算
- (3けた)-(2けた)のひき算で、差が2けたになる計算の立式・筆算・計算(上の逆算)
- 直線、三角形と四角形、定義、分別、作図
- たすのかな?ひくのかな? 文章題
- かけ算⑴:かけ算の意味、使い方、5のだん2のだんの九九
ここから、筆算計算が本格化します。同時に、暗算のやり方も、身に付けることが求められています。
また、計算を単純に「頭からやる」だけでなく、問題を見て、「工夫してやる」ことが、求められます。
図形では、平面図形の最初です。図形感覚をつけさせることを、珠算の子ども達には留意しましょう。
いよいよ、かけ算が入ってきます。新しい計算は導入が肝心です。ていねいに意味と使う場面を。
- 3つの数の計算を、交換法則や( )を使った結合法則を使って、工夫して筆算、暗算をします。
- 同じ直角二等辺三角形の色板や色棒をいくつか使っていろいろな形を作り平面図形の基礎を作りま
す。 - (2けた)+(2けた)=(3けた)と、その逆に(3けた)-(2けた)=(2けた)の立式、筆算、暗算ができる。そろばんの活躍どころ
- 直線、三角形、四角形の平面図形を分別、作図等、作業することを中心に理解させます。
- 文章題でたすのか、ひくのかの判断をして立式させる。
- かけ算の導入、意味、使い方、5・2の段。