小学校の算数を知ろう 5・6年(3)

日本数学協会幹事・多摩市立大松台小学校教諭  有田 八州穂
(「日本珠算」626号より)

小学校算数5年生の学習  9・10月

(学習内容)

  1. 倍数と約数:偶数・奇数の意味と分類、倍数・公倍数・最小公倍数の意味と見つけ方、約数・公約数・最大公約数の意味と見つけ方、適用問題、応用問題
  2. 単位量あたりの大きさ:平均の意味と求め方、平均と全体量、単位量あたりの大きさの意味、人口密度、応用問題
  3. 分数と小数:わり算と分数の関係、分数の意味と分数倍、分数と整数・小数の相互変換

 

 二学期を迎えるに当たって、小学校の教員には答の出し方だけでない、解いていくプロセスを理解する数学的な力がますます求められています。

 分数計算の基本の倍数・約数が出てきます。ここでは暗算力が求められます。倍数、約数、公倍数、公約数という言葉の意味と求めるプロセスを数や図できちんと理解させます。分数の通分、約分をやらせたり、応用問題をやらせるのも重要。

 小学校の算数で一番難しいのがこの単位量あたりの大きさ。本来なら「比」を使ってきちんと教えるべきですが、教科書はそうはなっていません。ここでは、平均や単位量あたりの大きさが日常どう使われているかを意味とともに丁寧に教えます。単位量あたりの大きさは割合であり、比の値であり、普通の数とは違うことを教えます。応用問題として、混みぐあい、濃さ、打率、密度なども教え、解き方を丁寧に指導します。

 分数をわり算の結果として、やっとここで初めて教えます。本来は3年でわり算、分数が出てきた時に教えておくべきなのですが。わり算を介して、分数と整数・小数の相互変換をやらせます。この機会に、分数から無限循環小数も教えます。単位量あたりの大きさを受けて分数倍も教えます。

5年生の問題 4・5月
5年生の問題 9・10月(pdf)

小学校算数6年生の学習 9・10月

(学習内容)

  1. 拡大図と縮図:拡大図や縮図の意味・性質、拡大図・縮図の描き方、縮図の利用、適用問題
  2. 速さ:速さの意味と表し方、速さ・道のり・時間の相互関係、適用問題、応用問題
  3. 角柱と円柱の体積:角柱・円柱の体積の求め方と適用問題
  4. およその面積:公式が適用できない面積問題の答の出し方、等積変形
  5. 比を用いた問題:単位あたりの量を比で解く

 

 今年度、教える内容が増えて難しくなったわりに時間数は増えていないので、短時間で難しい内容を教えなければなりません。大変です。

 一度なくなって復活した拡大図・縮図です。相似をやらないで、拡大図・縮図をやるのも変な話です。比と結びつけて、図形上の量をどう出すか考えさせます。作図も重要です。また、縮図の日常生活での応用問題をやります。

 速さと時間、道のりの関係を考えさせます。本来は、比で考えさせるのがいいのですが教科書では公式で暗記させます。速さは比の値であることに留意させます。2つの値からもう一つの値を出す適用問題や応用問題をやります。

 体積は、長さ×長さ×長さで出ることを5年で教えますが、柱は(底面積)×(高さ)でも出せることを教えます。式の上で理解するのと図で理解するのを同時に教えます。適用問題をやります。

 面積は、公式が適用できないものがほとんどです。そのため日常的には面積は概形としてとらえ、概数として、計算で出します。不定形、カバリエリの原理がつかえるものなど様々な面積問題をやります。

 和算の問題の仕事算を線分図で考えさせます。比例式と比の値を使えばわかりやすいのですが。個別の問題の自分の解き方を身につけさせます。

6年生の問題 4・5月
6年生の問題 9・10月(pdf)