小学校の算数を知ろう 5・6年(1)

日本数学協会幹事・多摩市立大松台小学校教諭  有田 八州穂
(「日本珠算」624号より)

小学校算数5年生の学習  4・5月

(学習内容)

  1. 整数と小数:十進数としての整数・小数
    小数の10倍、100倍、1/10、1/100の数の表し方のきまり。
  2. 直方体や立方体の体積:体積の意味、単位
    単位換算、直方体・立方体の体積、組み合わせた立体の体積、比例、体積の概測。
  3. 小数のかけ算:小数をかける意味、小数のかけ算の考えかた・筆算、小数倍の意味、小数の交換・結合・分配法則、応用問題。

 

 東北の大地震と新指導要領の施行が重なり、学習とは何かが問われています。こういう時にこそ内容のある基礎的な学習をきちんとやるべきでしょう。
 5年も内容が増え、難しくなり、算数的活動など、「どうやって出したか」が問われます。答えだけでなく、途中の式をしっかり書かせます。

1.の 〔整数と小数〕 では、10倍、100倍、1/10、1/100と十進位取り記数法での小数点の位置がどう動くかというきまりに気をつけさせます。これは後の小数のかけ算、わり算と大きく関係します。

2.の〔体積〕ですが、これまで6年で学んでいいたものが5年に下りてきました。体積という量をはかるのに、普遍単位1cm3を導入する必要性を理解し、その上で、体積を1cm3という立方体いくつ分としてとらえます。ここで等積変形を十分した上で、立方体・直方体の体積の公式導入をします。また、容積概念も導入し、大きい体積単位m3、L(リットル)とcm3の単位換算もやります。また応用問題で複雑な形でも体積を出します。

3.の小数のかけ算では、小数のかけ算の意味(小数倍)を理解します。そして、筆算での小数点の移動を理解します。

5年生の問題 4・5月
5年生の問題 4・5月(pdf)

小学校算数6年生の学習 4・5月

(学習内容)

  1. 円の面積:円の面積の求め方、円の面積の応用問題。
  2. 文字と式:数量関係を文字x を用いた式で表す、表から、2つの数量の関係をx、y の式で表す。
  3. 分数のかけ算:分数をかける意味、計算方法。分数のかけ算を使ういろいろな文章題。応用。

 

 新指導要領では教科書のページ数が20%ふえましたが、時間数は5%増えただけです。しかも、難しくなっています。とくに、今回は、小中のつながりと言うことを強調していますから、教えるほうも算数から数学ということを意識して教えねばなりません。

1.の円の面積は、 5年で円周だけをやり、 6年で円の面積の出し方を教えます。公式を覚え計算するだけでなく、図形を既知の面積の出し方に還元して自分で公式が導けるようにします。また、計算も電卓を使わず、自力でできるようにします。そのためにも、円の応用問題で、等積変形や等式変形で出しやすい形に直し、計算しやすい式に直してからやると言うことが大事です。すぐに計算はしません。

2.文字と式といっても、方程式ではなく、函数としてのx、y の式です。2量の関係をx の一般式であらわします。比例式につながるような式の立て方の練習です。

3.分数のかけ算は、5年の分数×整数の延長上にあります。×分数の意味と計算のやり方を理解します。計算方法を理解した上で、×分数のいろいろな適用問題をやります。とくに、分数倍、割合が×分数であることを理解させます。また、次の分数のわり算の理解にむけて、逆数を導入しておきます。

 中学へのつながりを考え、珠算ではあまりやらない「式の変形」を意識してやらせます。

6年生の問題 4・5月
6年生の問題 4・5月(pdf)