小学校の算数を知ろう 3・4年(3)

日本数学協会幹事・多摩市立大松台小学校教諭  有田 八州穂
(「日本珠算」620号より)

小学校算数3年生の学習  9・10月

(学習内容)

  • あまりのあるわり算の意味理解、あまりのあるわり算の答えの確かめ、わり算の筆算、あまりの処理(文章題)
  • 三角形を調べよう(正三角形・二等辺三角形)定義・性質・作図(長方形、正方形、直角三角形)
  • 大きい数のしくみ(10000をこえる数の理解、数直線・大小・等号・不等号)10倍・10でわる1億の構成・読み方・書き方
  • かけ算の筆算(1)(2・3位数×1位数筆算文章題)

 指導要領改訂で3年でもいよいよプラス分が加わります。結構重要なことが多いのでしっかりと指導します。4年では学習済みとして進みます。

 3年で一番大事な計算は、わり算です。「わりきれる・わりきれない」の意味をしっかり理解させ式の書き方を指導します。わる数とあまりの関係をわからせます。その上で、発展ですが、わり算の筆算の書き方を教えます。答えの確かめの式を教えます。最後に、文章題で考える力をつけます。

 移行で3年に下りてきたものです。後の、3年から削除された長方形等も一緒に教えてしまいます。二等辺三角形、正三角形、直角三角形、長方形、正方形の定義・性質・作図。ちょう点、辺、角の名前も理解させます。説明の力も少しずつ。

 大きい数の1万から1億まで教えます。しくみ・表記・数直線上での表し方・大小の見分け。ここは4年でも結構苦手とするところですから、苦手意識を持たないようにさせます。

 何十・何百×1位数の暗算になれます。2位数×1位数の計算を暗算でやり、筆算で書き表す方法を身に付けます。(そろばんとの違いも)次に、3位数×1位数の計算をやはり、暗算と筆算でやります。そろばんの子は暗算で求めてもいいでしょう。

3年生の問題 9・10月
3年生の問題 9・10月(pdf)

小学校算数4年生の学習 9・10月

(学習内容)

  • 分数の意味・定義、割合を表す分数と量を表す分数(分母・分子・真分数・仮分数・帯分数)数直線上の分数、分数の大小、帯分数仮分数の変換、同分母分数のたし算ひき算
  • 小数のしくみ(1/1000の位までの小数の表し方読み方・たし算ひき算(移行)
  • わり算の筆算(何十÷何十の暗算・2位数÷2位数、3位数÷2位数の筆算、検算)、わり算のきまり、終わりに0のあるわり算の工夫
  • 三角形のしきつめ(タングラム)

 分数は新指導要領では3年で出てくるのですが、それより少し難しい程度までやります。割合分数と量分数の違いを押さえた上で、大きさを表す量分数の意味、表し方、しくみを理解させます。本当は○÷□=○ / □とわり算に結び付けて教えたいところです。そろばんでは、分数をどう教えるか考えたいところです。分数の大きさ、数直線上に分数を表す等分数の表し方の理解を深めます。また、大小比較や帯分数仮分数の変換、簡単な分数のたし算、ひき算もやらせます。

 移行で新しく入ってきたものです。従来より、少し難しい小数までやろうということです。1/1000の位までの小数を理解させ暗算・筆算の計算をさせます。

 わる数が2位数のわり算を暗算と筆算でできるようにします。何十でわるわり算は、できるだけ暗算でできるようにします。わり算では、「わる数・わられる数に同じ数をかけても、わっても商は同じ」と言う大事な決まりをしっかり教えます。その上で、0のつくわり算が、0を省略する簡単な形でできることを理解します。これは、小数のわり算につながるので重要です。

 図形的な感覚をタングラム等で磨きます。

4年生の問題 9・10月
4年生の問題 9・10月(pdf)